『キリスト教から読みとける世界史: ヴァチカンは歴史に、いかに君臨したか』
雨読夜話
内藤 博文 (著)
河出書房新社 (2020/5/21)
キリスト教から、というよりは、ローマ・カトリックから・ローマ教皇から読み解いた世界史の本。
弾圧されていたりローマ周辺の貴族からいいように扱われていた時期、皇帝や国王たちと権力争いをして十字軍を派遣したり贖罪状で莫大な富を築いた時期を経て、宗教改革を受けて世界各国への布教を始めた時期、近代になってカトリックの影響力が低下した時期、そして第二次大戦後になって再度見直された時期と、かなり長いスパンでローマ教皇周辺の話が書かれている。
「カノッサの屈辱」や十字軍派遣のように影響力を見せつける時期もあれば、フランス国王から強制的に教皇庁をアヴィニョンに移されたりローマとアヴィニョンで分裂したシスマと呼ばれる苦しい時期もありと、多くの出来事が紹介されている。
かなりの悪人タイプの教皇も多く出ていたり、カトリックによる大規模な愚行があったりと、宗教組織の暗黒面も印象に残った。
あまり知らなかった話が多く、読みごたえがあった。
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